尿失禁

今回の記事では尿失禁の原因について解説し、どのような治療を行っていくのかについて解説します。

尿失禁の原因

尿失禁の原因には様々ありますが、根本の症状としては自分の意思とは無関係に尿が漏れてしまうことにあります。
一人ひとりの尿失禁の原因はすぐに判定できませんが、失禁パターンを知ることである程度の推測を行うことができます。

切迫性尿失禁(せっぱくせいにょうしっきん)

急激な尿意を催し、抑えきれずに尿が漏れ出す状態です。
急に起きる抑えきれない衝動であり、尿意を我慢しトイレまで行くことが困難になります。
この症状が出ていると、外出先でも急にトイレに駆け込むことが多くなり、ストレスの要因となるでしょう。
原因としては、脳梗塞などにより脳の指令がうまく届かなくなってしまっているなど原因が明らかな場合もあります。

機能性尿失禁(きのうせいにょうしっきん)

身体機能の低下もしくは認知症などによって尿失禁が生じる状態です。
こちらの特徴としては、尿路に異常がないにも関わらず様々な理由による身体障害によって起きてしまいます。
また、認知症患者もトイレの位置が確認できず失禁を起こしてしまう可能性があります。

溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)

脳からの指令は十分に届いているのに、自分の意思ですべての尿を排尿できず、溜まった尿が漏れ出てしまう状態です。
薬剤の影響や糖尿病の末梢神経障害、また代表的な症例としては前立腺肥大症などの影響が考えられます。

腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)

女性に多い失禁パターンです。
重い荷物を持ち上げようとしたり、ジャンプなどの運動をして腹部に力を入れた際に尿が漏れ出してしまいます。

混合性尿失禁(こんごうせいにょうしっきん)

複数のタイプが関与している状態。

このうちのどのパターンに属するのかを検査、その後検査結果を元に治療を検討します。

尿失禁の診療

問診

問診は以下の内容を重点的に確認していきます。

  1. いつから失禁が発生しているのか
  2. 症状はどのようなものか、1回の尿量の確認
  3. 手術歴や薬剤の内服歴によるところはないか

ここで背景を特定できれば、ある程度の失禁パターンを予測できます。

検査

検査は尿検査と血液検査を最初に行います。
問診の結果を鑑み、原因の特定を行う意味合いがあります。
その他の検査には、排尿日誌や残尿測定を行っていきます。

尿失禁の治療

環境調整

尿失禁の治療でまず行うことは、環境整備です。
尿失禁の患者の多くは身体障害が発生し、ADLが低下しているためです。
治療により改善が見られるまでは、時間を要することもあるため、トイレの位置を近くしたりして、バリアフリー化を進めます。
また、水分摂取が多い場合には、飲む量の調節を排尿日誌のデータを元に行っていきます。

薬物療法

環境整備が完了すると、薬物を用いた治療を行っていきます。
薬物療法には2つのアプローチがあり、『蓄尿障害』と『排尿障害』を改善する目的で行います。
蓄尿障害に対するアプローチは、膀胱の広がりから来る尿意の高まりを緩和していきます。
具体的事例としては、切迫性尿失禁や過活動膀胱での排尿筋の過活動を抑制する薬剤の投与です。
抗コリン薬やβ3作動薬を投与しますが、副作用である便秘や喉の乾きに注意が必要です。
また、排尿障害に対するアプローチは、尿の通り道を広げたりする治療を行います。
α1遮断薬やコリン作動性薬剤を投与し、交感神経や副交感神経に働きかけ、尿の通り道を広げます。
主に交感神経の働きを抑制するか、副交感神経を刺激するアプローチとなります。

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