【医師と栄養士が教える】調味料と塩分

当院で診察をしていると、「減塩に気をつけている」という患者さんが多くいらっしゃいます。

減塩を意識することはとても良いのですが、いざ尿検査を行って前日に摂取した食塩量を簡易的に測定してみると、11g、12gという結果が出る方も。

「減塩しているつもり」では、なかなか減塩できていないというのが実状です。

今回は、毎日の料理に欠かせない調味料と塩分の関係について、当院の管理栄養士である若子みな美さんと一緒に紹介します。

赤羽もり内科 管理栄養士 若子みな美

非常勤で腎臓内科に務めるかたわら、減塩料理家としても活動している。「食をより簡単に、そして世界を健康に」をモットーとし、2018年に株式会社ORANGE kitchenを立ち上げる。現在、CKD患者向けに重症化予防プログラムの新規事業立ち上げを行っている。

調味料にはどれくらいの食塩が入っているのか?

私たちはどんな食品から食塩を摂取しているのでしょうか?

魚介類やパンなどは食品自体に塩分が含まれていますが、私達の1日の摂取食塩量の約7割が調味料から摂取しています。

中でも、醤油、塩、味噌などからの摂取が多いと言われています。

約7割もの食塩をこれらから摂取しているのであれば、まずは調味料、特に醤油、塩、味噌を減らすことが減塩への近道となります。

塩、味噌、醤油を減らすには?

調味料から7割ほどの塩分を摂取しているということですが、具体的にどのように調味料を減らせばよいのでしょうか?

●下味の塩をまずカットしよう

例えば、塩を考えてみましょう。家庭料理で塩単体を使うシーンは大きく4つあると考えています。

  • 肉や魚の下味
  • 野菜の塩もみ
  • 汁物や煮物で味を調える
  • 自家製の漬物等

たしかに、言われてみると家庭で塩を使用するのってほとんどその4つかもしれません。

この4つの中からすぐに減らせるのは1の下味です。

肉や魚を料理する際、下味のために塩・こしょうを振ることが多いですが、まずはこれをやめましょう。と言うのも、下味をしたとしても、その後で別の調味料を入れて味付けすることがほとんどです。

 

下味をカットすることで0.5〜0.8gほどの塩分を減らすことが可能と考えます。どうしても下味をしたい場合は、こしょうだけにすると良いですよ。こしょうを振るだけでも、下味としては十分です。

0.5〜0.8gというと、高血圧や腎臓病患者さんの1日に摂取する塩分量の約1割なので、大きいですね。下味をやめるだけで1割カットできるなら、早速トライできますね。

また、私はよく行うことは「塩もみ」ならぬ「砂糖もみ」です。塩もみしてからしっかり洗って使えば、摂取食塩量は少なくて済みますが、塩もみをしてそのまま使用すると摂取食塩量が多くなってしまいます。
きゅうりやキャベツなどを塩もみするのは、野菜の水分を浸透圧の力で抜くという目的。ということは、塩でなくても水分が抜ければ良いんです。
薄切りにしたきゅうりなどに砂糖をパラリと振って砂糖もみをすると、塩もみ同様に水分が抜けてきます。キッチンペーパーなどで水分をしっかり絞って少量の醤油や酢、ごま油などと和えれば完成です。砂糖もみならではの甘味も加わっておいしく召し上がれます。

塩ならぬ砂糖!それは良い方法ですね。定番の料理も一工夫することで、簡単に減塩できますね。

●毎日の味噌汁1杯は塩にすると何グラム?

毎日の味噌汁が欠かせないという方もいらっしゃいますが、味噌汁にはどれくらいの塩分が含まれているのでしょうか?

味噌汁、おいしいですよね。私も大好きです。味噌汁の塩分量は、使用する味噌の量と種類によって異なります。
一般的に九州地方は麦味噌、東海地方は豆味噌、その他の地方は米みそと大きく分かれますが、それでもメーカーさんによって食塩相当量が大きく異なります。
まずは、味噌の塩分濃度を約10%と覚えておくと良いと思います。味噌 大さじ1=18gなので、大さじ1の味噌を使用すると2g弱の食塩量を摂取することになるという具合です。

思ったより、味噌って塩分が多いですね!味噌汁に使用する味噌の量ってどれくらいですか?

1人あたり小さじ1 程度が理想です。小さじ1だと0.7gほどの塩分量になります。ただ、味噌の量を減らすと物足りなさを感じてしまうのも事実。そこで、活躍するのがだしです。かつおだし、昆布だし、いりこだしなど、だしをしっかり効かせた味噌汁にすることで、少ない味噌でもおいしく仕上がります。もちろん、顆粒だしでもOKです。最近では、塩分が含まれていない顆粒だしも販売されているので、スーパーなどでチェックしてみてください。

具材などはどうですか?

カットわかめは水戻ししてから使用しましょう。ついつい、そのまま鍋の中に入れたくなりますが、そのまま入れるとカットわかめの塩分も味噌汁の中に入ってしまい、塩分量が多くなってしまうので注意が必要です。
油揚げなどを入れるとマイルドな味わいになり、コクがプラスされるので良いですね。味噌汁は具だくさんにすることで、汁の量が減ります。汁物は「飲む」ではなく「食べる」と考えるようにしましょう。

●減塩しょうゆを上手に使おう!

減塩しょうゆがかなり一般的になりましたが、若子さんは普段から使用していますか?

はい、使用しています。と言っても、すべてを減塩しょうゆにするのではなく、濃口しょうゆ、薄口しょうゆも常備し、料理に合わせて使い分けています。

多くの患者さんが減塩しょうゆを使用されていますが、おすすめの使い方はありますか?

煮物などを減塩しょうゆで作ると味が決まらないという方もいらっしゃるかと思います。そういう時は濃口醤油でOKです。ただ、この時、フライパンなどを使用して煮汁を少なくして落し蓋をして煮ると良いですよ。煮汁が多いと、その分、調味料の量も増えてしまい減塩から遠ざかってしまいます。
逆に、刺し身や餃子など、食卓で使用する醤油を減塩醤油にするのはおすすめです。手軽に使用できるうえ、うま味なども加わりおいしく召し上がれるかと思います。

最近ではさまざまなメーカーさんが減塩しょうゆを販売されていて、お好みのしょうゆを見つけるのも楽しいかもしれませんね。では、減塩しょうゆを使う際の、注意点などはありますか?

注意していただきたいので、減塩しょうゆを使っているという安心感から調味料を測定しない方が多くいらっしゃいます。例えば塩分1/2カットの減塩しょうゆを使用しても、普通のしょうゆの2倍の量を使用してしまえば、元も子もありません。減塩しょうゆでもしっかり測定するようにしましょう。

たしかに。減塩の基本は調味料を測定することですよね。

今回は、患者さんがすぐに真似できるような調味料の減塩方法を若子さんと一緒に紹介しました。次回は、「味噌汁と塩分」について紹介します。

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