【腎臓の基礎知識】腎臓と筋肉・骨の関係

腎臓は関係ないように見える筋肉・骨とも密接に関わっています。

腎機能が低下した時には、筋肉や骨についても目を向ける必要があります。

腎臓と筋肉

腎臓病になると、様々なメカニズムを経て筋肉が衰えると言われており、健康な人に比べて7割程度まで身体機能が低下していると言われています。

また、透析をされている患者の場合身体機能が5割まで低下しており、8人に1人が過ごしている時間の半分以上をベット上で暮らしているとも言われています。(Am J Nephrol. 2013;38(4):307-15)

上の図のように腎機能が低下すればするほど、フレイルと呼ばれる身体機能が低下した状態になるリスクが高くなります。

身体機能を一度衰えると中々元に戻らないため、腎機能が低下した場合は運動や食事の治療を心がけて、事前に身体機能の低下を予防する必要があります。

腎臓と骨

腎臓病では筋肉だけでなく、骨が脆くなり骨粗鬆症、骨折になるリスクが高くなると言われています。(Osteoporos Int. 2005 Dec;16(12):1683-90.)

これは腎機能が低下すると、腸管からのカルシウムの吸収が低下することや、副甲状腺という臓器に影響を与えて骨を溶かすホルモンが過剰に働くためと言われています。

そのため、定期的に以下の検査を行うことをお勧めします。

  • 血液検査:カルシウムや骨の代謝マーカーの測定
  • 画像検査:骨密度の測定

腎機能が低下すると、使用できる骨粗鬆症の薬も限られたり、薬の効果が効きすぎることで腎機能がさらに低下する可能性があります。

身体機能を保持するための治療

身体機能を保持するための治療として、以下のような治療を行います。

 

・筋肉に対する治療

定期的な運動を中心に行います。またご高齢の方は、食事をしっかり摂りましょう。

腎臓病の食事療法をしている患者さんは、管理栄養士と相談をして制限している栄養素があるなら、他の栄養素でしっかり補うように作成を立てましょう。

 

・骨に対する治療

定期的な運動を中心に行います。

加えて採血検査の結果を見ながら、ビタミンDと呼ばれるカルシウムの吸収・代謝に関わるビタミンを適宜補充します。

 

腎臓病と運動

筋肉にしろ、骨にしろ、腎機能が低下した患者さんでは定期的な運動を行うことが望ましく「腎臓リハビリテーション」が推奨されます。

腎臓リハビリテーションでは以下のような運動を行います。

  • 有酸素運動を週3-5日程度
  • レジスタン運動(筋肉トレーニング)を週2-3日程度
  • ストレッチ

近年、この運動療法が筋肉や骨だけでなく、腎臓にとっても良い効果がある可能性が出てきており大変注目されています。

「腎臓リハビリテーション」は学会、ガイドライン、資格もある領域の治療です。

当院でも「腎臓リハビリテーション」を積極的に推奨しております。

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