カリウムを下げる薬「ロケルマ」

腎臓内科

赤羽もり内科・腎臓内科の院長の森 維久郎です。

本日は、高カリウム血症の新しいお薬である「ロケルマ」についての解説記事を書きます。

(詳しく知りたい患者さんや、医療従事者の方向けの詳しいロケルマについてのページはこちらをご参照ください。)

ロケルマとは

ロケルマとは、カリウムが体に溜まらないようにするお薬です。

カリウムは野菜・果物などに多く含まれるミネラルで、腸で吸収されますが、ロケルマはこの腸での吸入を抑えて、便と排泄するのを助けるお薬です。

腎臓とカリウム

腎機能が悪くなると、尿からのカリウムの排泄が悪くなり血液中にカリウムが溜まってしまいます。

このカリウムが溜まりすぎると、突然死を引き起こす心臓の不整脈が起きるリスクが高くなるため注意が必要です。

具体的には、K<5.5mEq/Lの状態を保つのが望ましいとされています。

このカリウムが原因で、腎機能を保護する薬が使えなかったり、過度に食事を制限する必要が出たりすることがあり、カリウムを下げる良いお薬が待ち焦がれていました。

(尚、カリウム自体には腎機能を悪くする作用はありません。)

ロケルマの特徴(メリット)

ロケルマの特徴(メリット)は以下のような点です。

  • 便秘などの消化器症状が少ない
  • 他のミネラルへの作用が少ない
  • カリウムを下げる効果が強い
  • 1日1回の内服で済む

今まで使用されていたカリメートやアーガメイトゼリーなどのカリウム吸着薬はポリマー製剤と呼ばれ、水分を吸入して膨らんでしまうためお腹が張ったり便秘になるなどの副作用があることが課題でした。

ロケルマは非ポリマー製剤であり、そのような副作用が少ないと報告されています。

また従来のカリウム吸着薬には、カリウム以外のミネラルも吸着してしまい、低カルシウム血症などのミネラルの異常を起こす可能性がありました。

今回のロケルマは、微細孔構造と呼ばれる構造を有しており、カリウムのみを効率よく吸着できるように作られているため他の必要なミネラルが排泄されず、カリウムを下げる効果が強いという特徴もあります。

従来のお薬は1日3回飲む必要がありましたが、ロケルマは1日1回で済みます。(これはかなり大きいですね。)

ロケルマの特徴(デメリット)

ロケルマの特徴(デメリット)は以下のような点です。

  • 薬の効きが良すぎる
  • 塩分負荷が多少なりある
  • 少し値段が高い

ロケルマはかなり効果が強いので、カリウムが下がりすぎてしまうことがあります。そのため、薬を開始した後は定期的に採血をすることをお勧めします。

個人的には、ロケルマを開始して、今まで制限していた野菜や果物をすべて解禁になった患者さんが結構いらっしゃいます。

また、ロケルマには塩分がそれなり含まれています。ロケルマ5gで約1gの塩分が含まれています。塩分負荷に伴う浮腫みや血圧の上昇には注意が必要です。

そして、最後に薬の値段は少し高めです。。。3割負担の人で数百円/日、1万円/月前後かかることもあります。今後安くなっていくと思いますが、経済状況を加味していく必要のあるお薬ですね。

ロケルマの使い方(私見)

ここからは私見になりますが、当院にかかっている患者さんでは積極的にロケルマを使用する方針にしています。

理由は、以下の2つです。

  • 腎機能保護する薬をしっかり使いたい
  • 野菜・果物を制限せずに積極的に食べてほしい

腎機能を保護する血圧の薬「RAS系阻害薬」は、カリウムを上げる副作用があります。カリウムが高い患者さんには、止む無く使用せずに中止することがあります。

ロケルマを使用してカリウムにコントロールをつけて、しっかりRAS系阻害薬を使用したいと思います。

また、野菜・果物を制限せずに積極的に食べてほしいという気持ちもあります。

野菜や果物には、カリウムだけでなく、食物繊維やビタミンも含まれており、制限することでデメリットも生じます。

何より、腎臓病だと塩分の制限、タンパク質の制限など何かと食事に制限がつく中で野菜・果物を制限して、何も食べなくなる方が多くいらっしゃいます。

腎臓病になると筋力の衰えが強くなるので、食事制限とダブルパンチで身体機能が低下する患者さんが多くいらっしゃいます。

個人的な治療方針ですが、野菜・果物の制限はロケルマを使ってでも極力しないようにしていきたいと思っています。

ご不明な点がございましたら遠慮なくクリニックでご質問ください。

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