不眠症

赤羽もり内科・腎臓内科では、生活習慣病で通院されているかかりつけの患者様に限定して「不眠症」の診療を行っております。当院では以下のようなご相談が多いです。

・なかなか寝付けない。 ・途中で起きてしまう。 ・薬を使用せずに眠れるようになりたい。

不眠症とは

不眠症とは「眠る機会や環境が適切にも関わらず、睡眠の開始と持続、安定性、あるいは質に持続的な障害が認められて、その結果、何らかの日中の障害を来す」場合に不眠症と定義されます。(アメリカ睡眠医学会:ICSD-3)

当院では、不眠症に対してお薬を出すだけではなく、背景にある原因の特定や生活習慣についての問診もさせて頂きます。

お薬だけ希望の患者様はご期待にお答えできない可能性もあるのでその点ご容赦ください。

原因

不眠になる原因は意外と多岐に渡るため初診では問診を詳しくさせていただきます。

生活習慣

まずは生活習慣を伺います。日中の運動量、昼寝、カフェイン摂取、タバコ、アルコールなどを伺います。

内服歴

薬で眠れない可能性もあります。

例) ・ステロイド ・心不全で使用されるβ遮断薬 ・パーキンソン病で使用されるレボドパ

内科の病気

病気が背景にありねれないこともあります。

例) ・痒みで寝れないアトピー性皮膚炎 ・痛みで寝れない頚椎症 ・トイレに行きたくて寝れない過活動膀胱

多種多様な原因があります。大まかに5パターンに分けて考える医師が多いです。5Pと呼んでます。以下に一覧にしておきます。

Physical(身体的原因):疼痛、掻痒、頻尿、循環器疾患、呼吸器疾患、パーキンソン病、発熱、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群など

Psysiologic(生理学的原因):時差ボケ、騒音、光、不快な温度、交代制勤務など

Psychological(心理学的原因):ストレス、緊張、精神的ショックの大きい出来事など

Psychiatric(精神医学的原因):アルコール依存症、不安神経症、うつ病など

Pharmacologic(薬理学的原因):パーキンソン病の薬(ドパミン製剤、MAO-B阻害薬。ドパミンアゴニスト、抗コリン薬)、脂質異常症(フィブラートなど)、ステロイド、テオフィリン、インターフェロン、カフェイン、ニコチンなど

不眠のパターン

不眠は大きく3つのタイプに分けることが出来ます。

1)なかなか寝付けない(入眠困難) 2)寝たのに途中で起きてしまう(中途覚醒) 3)熟睡出来ていないのに朝早くに起きてしまう(早朝覚醒)

入眠困難

日本人の7%ほどが、寝付きが悪くて悩んでいます。以下のような場合、入眠困難になりやすいと考えられています。

例) ・身体的な病気 ・精神的なストレス ・緊張 ・逆に眠りに対するこだわりが強い

中途覚醒

日本人の15%ほどが中途覚醒で悩んでおり、中高年の方が多いです。以下のようなパターンが多いです。

例) ・夜にトイレに行きたくて目が覚める ・夢で目が覚める

これらの場合、前者に泌尿器科の病気、後者に睡眠時無呼吸症候群などの病気があることがあります。

早朝覚醒

日本人の5%ほどが早朝覚醒で悩んでおり、熟睡出来ていないのに朝早くに起きてしまうという訴えが多いです。

老年者に多いのですが、中には原因として、若年者のうつ病があるので念頭に入れて問診させて頂きます。

治療

薬以外の方法

不眠症の治療はいきなり薬ではなくまず生活習慣の是正から始まります。睡眠に関しては、テレビや雑誌などで色々報道されていますが、過去に「睡眠障害対処 12の指針」という厚生労働省の研究班から睡眠の障害を事前に防ぐ12項目の生活習慣を明記しています。

特に睡眠時間は人それぞれなので気にしなくて良いことや、眠れない時はあえて遅ね・早起きにすることが良いこと、アルコールで寝るくらいなら薬を正しく飲んだ方が良いことなどは意外と知られていないです。以下に記載します。

  1. 睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分
  2. 刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
  3. 眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
  4. 同じ時刻に毎日起床
  5. 光の利用でよい睡眠
  6. 規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
  7. 昼寝をするなら、15時前の20~30分
  8. 眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
  9. 睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
  10. 十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に
  11. 睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
  12. 睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全

更に補足するなら、眠くない時はベットに入らないことも大切です。ベットの上で寝れない状態が続くと、「ベット→寝る所」という潜在意識が無くなってしまいより寝れなくなります。ベットの上で仕事をしたり映画を見るのも良くないそうです。寝れないときは開き直ってベットから離れましょう。

薬を使う方法

生活習慣の是正が基本ですが、前述した通り、薬を使うことが決して悪いことではありません。

睡眠薬に過度な不安を持ち、間違ったイメージを持っている患者様・医療者が多いと言われています。必要な時は一時的に薬のサポートを得るのも間違っていません。

現在よく使われる薬の種類は、以下の4種類です。

・ベンゾジアゼピン系 ・非ベンゾジアゼピン系 ・メラトニン受容体作動薬 ・オレキシン受容体拮抗薬

簡単に説明すると前者2つは「脳の機能を抑える薬」、後者2つは「自然な眠気を増幅させる薬」です。

細かくは診察室でお伝えしますが、前者は効きが良いのですが安全性は後者に劣り、後者は安全性は優れているのですが効きが前者に劣るという解釈で問題ないです。

脳の機能を抑える薬

ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系は多くの種類があり、薬の作用する時間が異なります。

不眠の状態が入眠困難なのか、中途覚醒・早朝覚醒なのかで使い分けます。

入眠困難のとき

超短時間型睡眠薬を使用します。以下のような薬剤が当てはまります。

例) ・マイスリー(ゾルピデム) ・アモバン(ゾビクロン) ・ルネスタ(エスゾビクロン) ・ハルシオン(トリアゾラム)

中途覚醒・早朝覚醒のとき

短時間作用型や中間作用型の薬を使用します。以下のような薬剤が当てはまります。

例) ・リスミー(リルマザホン) ・レンドルミン(ブロチゾラム) ・サイレース・ロヒプノール(フルニトラゼパム) ・ユーロジン(エスタゾラム)

注意点

細かい副作用は診察室で触れますが、作用時間が短い睡眠薬は健忘・依存性など、作用時間が長い睡眠薬は眠気・ふらつきなどがあります。

アルコールと一緒に飲まない、大量に飲まないなど注意が必要です。生活習慣などを是正して長期的には薬を減らしていきましょう。

自然な眠気を増幅させる薬

一方でメラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬は安全性が高いのですが、効くのに時間がかかったり、効果がマイルドです。以下のような薬剤が当てはまります。

例) ・ベルソムラ(スボレキサント) ・ロゼレム(ラメルテオン)

その他に抗不安薬(デパス、リーゼなど)や抗うつ薬(レメロン、レスリンなど)、漢方薬(加味帰脾湯、抑肝散、柴胡加竜骨牡蛎湯、半夏厚朴湯など)を適宜使用します。

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