顕微鏡的血尿

血尿には目に見える血尿の「肉眼的血尿」と目で見えない「顕微鏡的血尿(けんびきょうてきけつにょう)」の2種類があります。

・健康診断で「尿潜血」という項目の異常を指摘された。

・しかし、血尿が出たという意識がない。

という患者さんは血尿のうち顕微鏡的血尿がある状態です。

顕微鏡的血尿とは

顕微鏡的血尿とは、「尿中赤血球が尿沈渣5個/HPF以上」の状態です。

尿潜血と呼ばれる健康診断などで使用される試験紙を使った検査結果のみの場合は顕微鏡的血尿ではありませんので、尿沈渣と呼ばれる顕微鏡を使った尿検査を行う必要があり、3回繰り返して1度でも陽性であれば顕微鏡的血尿とみなします。

問診で伺う事

以下のような場合はリスクファクターと呼ばれるため関連事項について、問診します。

  • 40歳以上の男性
  • 喫煙者
  • 有害物質への暴露
  • 肉眼的血尿
  • 泌尿器科疾患の既往
  • 排尿時の症状
  • 尿路感染症の既往
  • 骨盤放射線照射既往
  • シクロフォスファミドの治療歴

原因

顕微鏡的血尿の原因は、腎臓の病気、膀胱の病気、尿管の病気など尿の通り道による問題が多いです。

腎臓の病気

IgA腎症、血管炎、ループス腎炎などの免疫の病気、アルポート症候群などの遺伝性の病気などが挙げられます。

膀胱・尿管の病気

膀胱がん、腎臓がん、前立腺がん、出血性膀胱炎、間質性膀胱炎、結石、腎高速、腎嚢胞、腎血管筋脂肪腫などが挙げられます。

尚、血液をサラサラにする薬を飲んでいても血尿の頻度は必ずしも増加しません。

検査

採尿検査

健康診断などで行われている試験紙を使った検査法では情報量が少ないのでより精密な尿検査を行います。

尿中に含まれる赤血球という血球の「数」と「形」を確認します。

「数」が5/HPF以上であれば血が出ていると考えることが出来ます。

「形」が変形していれば腎臓の病気、変形していなければ尿管・膀胱の病気と考えることができます。(ただし、変形赤血球がある場合も、泌尿器科の疾患の評価をしっかり行う必要があります。)

尿培養検査、尿細胞診、尿中腫瘍マーカー(尿中MNP22)

採血検査

腎臓の機能を確認したり、前立腺の状態を調べるために行います。

画像検査

膀胱や腎臓に異常が無いかを確かめる検査として腹部エコーや腹部CT検査を適宜行います。

当院の診療の考え方

当院では、まず問診でリスクファクターを聴取して、尿検査を行います。尿検査では、健康診断で調べることのない尿細胞診や、尿中赤血球の変形率の測定まで行います。

当院では、腎・膀胱のエコー検査は、熟練の技師(エコーの専門家)が在籍する基幹病院で行うことを推奨しております。当院から予約を入れることも可能なので遠慮なく仰ってください。(健康診断でエコーを行っている時は、結果を持参ください。)

いずれに異常所見があり、精査の対象となる場合は膀胱鏡などを行うために泌尿器科医の在籍する基幹病院をご紹介させて頂きます。

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