こんにちは。
『筋トレで腎臓が悪くなるよ』と言われ、健康診断でも腎臓の機能を示すクレアチニン値が高いと診断されている方いませんか。
筋トレと聞くと、ライフワークの一つとしている方も多そうです。
でも、上記のような言葉を聞いて、実際に健康診断で悪い値が出てしまうと不安に思ってしまいますよね。
そこで、今回の記事では、なぜ筋トレでクレアチニンが高くなるのかについて詳しく解説していきます。
結論としては、筋肉量が増えると腎臓が悪くなっていないにも関わらず、クレアチニンが高くなることがあり、特別な腎臓の検査が必要になります。
そのメカニズムについて知見を深め、正しい検査方法を知って頂くことを目的として執筆を行っています。
筋トレでクレアチニンが高くなるメカニズム
さて、筋トレでクレアチニンが高くなるメカニズムにはどのようなものがあるのでしょうか。
結論からお伝えすると、筋肉量が増えることによって(腎臓が悪くなっていないにも関わらず)血液中のクレアチニンの値が高くなってしまうことがあります。
筋肉に多く含まれるクレアチンという物質があります。
このクレアチンが筋肉の運動利用されて、老廃物としてクレアチニンが排出されます。
腎臓はこのクレアチニンを尿から出す働きがありますが、腎臓の機能が悪くなると尿から排泄されず血液中にたまってしまいます。
腎臓の病気は症状がないので、この血液中のクレアチニンの量をみて腎臓を評価します。
しかし、患者さんによっては、筋肉量や筋肉の質によって多くのクレアチニンが排出され、腎臓が悪いないにも関わらず血清クレアチニンの値が大きくなってしまうことがあります。
クレアチンとクレアチニンの違い
先程出てきた単語であるクレアチンとクレアチニンにはどういった違いがあるのでしょうか。
下記に簡単にまとめてみましたのでご覧ください。
- クレアチン⇒筋肉のエネルギー源になるクレアチリン酸の元となる物質
- クレアチニン⇒筋肉の運動後に排出される老廃物
詳細な解説は控えますが、クレアチンは運動を行う際には必須な有機酸の一種なんですね。
特に強度の高い運動を行っているアスリートの方などは、サプリメントとして摂取している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
筋トレで腎臓が悪くなっているのか?
では、実際に筋トレによって血清クレアチニン値が上昇したからといって腎臓が悪くなっていないと断言できるのでしょうか。
答えは、一概にそうは言えないため「シスタチンC」という特別な採血項目を測定することをお勧めします。
また筋トレをされている方は、プロテインを一杯飲んでタンパク質を大量に摂取したり、ビタミンなどのサプリメントを飲んでいたり、ロキソニンという痛み止めを飲んでいることが多いです。
過度なたんぱく質摂取、サプリメント・薬などで腎臓が障害されることは多々あるので、注意が必要です。
シスタチンCとは
シスタチンCとは、腎機能を評価する体内の物質の一つで、クレアチニンのように筋肉の質や量といった外部環境の影響を受けません。
もし、この値が高くなっている場合には、腎機能の低下を疑わざる得ない状況と考えます。
クレアチニンが高いけど、筋肉が多いから大丈夫とは一概に言えず、必ずこのシスタチンCを測定して異常がないことを確認することがをお勧めします。
医療機関の選び方
医療機関を受診される場合は、「腎臓内科」のクリニックを受診することをお勧めします。
ただし、地域に腎臓内科のクリニックがないこともあり、その場合は「シスタチンC」を測定している内科のクリニックでも良いと思います。(関東圏であれば、当サイトを監修している「赤羽もり内科・腎臓内科」をご利用ください。)
クリニックに受診すると、問診を行った後に、採血・採尿検査を行います。その後1週間ほどで結果がでるので結果説明を聞いて終了となることが多いです。
腎臓が悪いと言われてドキッとされたかもしれません。不安を先送りにせずに医療機関に受診することをお勧めします。
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