膀胱がんは、膀胱の尿路上皮粘膜より発生する悪性腫瘍です。
比較的、高齢層に発症して、男性の方が罹患率が高い病気です。
膀胱がんの特徴として、空間的・時間的な多発性があり、一度切除しても再発を繰り返すことが多く、膀胱以外の臓器にも病変が合併することがあります。
原因
リスク因子としては、以下のようなものがあります。
- タバコ
- 職業
- 膀胱の慢性炎症
- 抗がん剤、放射線治療に伴う変化
- 遺伝
これの要素がないかを確認するために問診を行います。
症状
症状は主に「血尿」と「膀胱刺激症状」です。
血尿は、眼に見える「肉眼的血尿」だけでなく、眼に見えず顕微鏡でわかる「顕微鏡的血尿」のこともあります。
膀胱刺激症状は、頻尿、排尿時痛、残尿感などの症状を指します。
検査
行う検査は「尿検査」、「腹部エコー」、「膀胱鏡」があります。
・尿検査
尿検査で、血尿の状態を把握する「尿沈渣」、悪性の細胞がいないかを調べる「尿細胞診」、癌のスクリーニングで使用する「尿中マーカー」を調べます。
年齢、喫煙歴がある場合などリスク因子を持っている患者様には積極的に行います。
ただし、これらの検査で白黒をしっかりつけることは困難であり参考所見程度の結果になります。
・腹部エコー
超音波を使って、膀胱の中に隆起病変がないかを観察するために行います。
・膀胱鏡検査
膀胱にカメラを入れて、観察する検査です。
診断としては非常に有用な検査で、積極的に疑われる場合に行います。
・経尿道的膀胱腫瘍切除術(病理診断)
診断の確定・重症度を確定する目的で行います。
細胞の顔つき、深さなど治療方針の決定にも使用します。
当院の診療の流れ
当院では、以下のような流れで診療しております。
① 初診:問診、尿検査。エコー検査の紹介。(当院)
*エコーに関しては、熟練した臨床技師が在籍する医療機関での検査を推奨しており、検査のみのご紹介をさせて頂きます。
② エコー検査。診察・結果説明なし。(紹介先)
③ 結果説明。(当院)
この段階で総合的に評価して異常があれば、泌尿器科の専門施設にご紹介させて頂きます。
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