腎臓リハビリテーションとは

腎臓リハビリテーションとは

腎臓リハビリテーションとは、腎臓病、透析患者さんに対して行われる運動を中心としたプログラムのことです。

腎臓病の患者さんにおける身体機能の低下を予防するだけでなく、腎機能を高めたり、糖尿病や心臓など腎臓以外の臓器の状態をよくするため行われます。

腎臓リハビリテーション学会で認められた正式なリハビリテーションで、腎臓リハビリテーションガイドラインという標準書があり、腎臓リハビリテーション指導士という資格もあります。

腎臓リハビリテーションの効果

腎臓リハビリテーションの効果は主に2つあります。

1 身体機能を守る

2 腎臓を保護する

特にリハビリテーションも腎機能を高める効果には期待が集まっており、近年世界中からポジティブな報告が出てきています。

腎臓病は一度悪くなると、元に戻らないという言われており、薬の治療も限られるため新しい腎臓病の治療として注目されています。

特に高齢化の日本では、腎臓の治療として行われいる食事制限により身体機能が落ちて寝たきりになってしまうという出来事が問題視されており、高齢の患者さんには食事制限をするのではなく、運動をしていこうという流れがあります。

実は腎臓リハビリテーションは日本が世界に先立ちガイドラインを作っている領域なんです。

腎臓リハビリテーションの対象

腎臓リハビリテーションはほぼ全ての腎臓病の患者さんに推奨される治療ですが、心臓や重度の糖尿病がある場合は、行わない方がよいこともあります。このページで詳しくまとめました。

尚、当院にかかりつけの患者様は必ず「腎臓リハビリテーション外来」を受診し、医師もしくは作業療法士からの説明をうけてください。

当院にかかりつけでない患者様は、主治医とご相談ください。

腎臓リハビリテーションをした方が良い人

腎臓病の軽症の患者さんから、透析の患者さんまですべての患者さんが腎臓リハビリテーションの対象です。

一番の対象は、ご高齢で、筋力や日常生活を行う力が減っている患者さんです。

腎臓病だと筋肉や骨がもろくなり、身体機能が7割程度に下がっているためリハビリテーションを行う必要があります。

また、腎臓リハビリテーションには腎臓を守る効果も期待されており、比較的若い腎臓病の方でも推奨されます。

腎臓リハビリテーションをしない方が良い人

心臓の病気、重度の糖尿病など腎臓以外の臓器に合併症がある場合、腎臓リハビリテーションを行わない方が良いこともあります。

絶対禁忌(絶対行わない方がよい)、相対的禁忌(行わない方がよい)、運動中の中止基準を腎臓リハビリテーションのガイドラインを参考に以下のようにまとめてみました。

<絶対禁忌>

  • 虚血性心疾患(2日以内の急性心筋梗塞、内科治療で安定していない不安定狭心症etc)
  • 不整脈(症状の訴えがあり、血圧などが安定していないなどコントロール不良の不整脈etc)
  • 心不全(コントロール不良で症状がある心不全)
  • 弁膜症(症候のある大動脈弁狭窄症など)
  • 意思疎通の行えない精神疾患
  • 急性大動脈解離
  • その他(急性の肺塞栓症または肺梗塞、急性の心筋炎または心膜炎など)

<相対的禁忌>

  • 虚血性心疾患(左冠動脈主幹部の狭窄 etc)
  • 不整脈(頻脈性不整脈または徐脈性不整脈、高度房室ブロック etc)
  • 弁膜症(中等度の狭窄など)
  • 重度高血圧(収縮期血圧200mmHg以上、拡張期血圧110mmHg以下)
  • 電解質異常
  • その他(肥大型心筋症またはその他の流出路狭窄、運動負荷が行えない精神的・身体的障害など)

<運動負荷試験の中止基準>

  • 症状:胸痛、呼吸困難、失神、めまい、ふらつき、下肢疼痛
  • 兆候:チアノーゼ、顔面蒼白、冷汗、運動失調
  • 血圧:血圧低下、異常な血圧上昇
  • 心電図:明らかな虚血性変化、調律異常(異常な頻脈・徐脈、心室頻拍、心房細動など)

患者さん個人個人の状態で、腎臓リハビリテーションを行うかを判断します。主治医とご相談をして頂くことをお勧めいたします。

リスク評価のための検査

腎臓リハビリテーションを行って良いかを決めるために事前にリスク評価の検査を行います。

心臓の評価

腎臓病の患者さんは心臓に何らかの異常を抱えていたりリスクが上がる可能性があるのでリスクをしっかり評価します。

採血、心電図、レントゲンを行い、必要に応じて心臓エコー、負荷心電図などを行います。

糖尿病の評価

腎臓病の患者さんには糖尿病を合併していることも多く、眼の障害、神経の障害、足病変、全身浮腫、電解質異常がある際はリスクをしっかり評価します。

採血、採尿を行い、必要に応じて脈波検査、眼底検査などを行います。

リスクを評価して腎臓リハを行いましょう。

10年前まで腎臓病だと運動してはいけないと言われてきましたが、ここ10年で運動をした方がよいと言われるようになりました。

専門的なリスク管理を正しく行った上で、腎臓リハビリテーションをして体力の向上、腎機能を守っていきましょう。

腎臓リハビリテーションの内容

腎臓リハビリテーションは、「医療者と一緒にやるリハビリ」と「自宅で自分でやるリハビリ」の2種類があります。

リハビリというとクリニックに週2-3回通い、大きな機械や電気を使った治療を連想される方が多いですが、腎臓リハビリテーションは通院は自宅で、自分の体重を使ったトレーニングや日常の有酸素運動を行います。

当院では、月1回のペースで作業療法士の外来を受診して頂き、適宜プログラムを作っていきます。

運動の内容としては、以下の3つで構成されます。

  1. ストレッチ
  2. 有酸素運動
  3. レジスタンス運動

詳しい内容は、「腎臓リハビリテーションの実際の運動内容」のページをご参照ください。

腎臓リハビリテーションは運動だけではない

腎臓リハビリテーションにとって大切なのは、運動だけでなく食事や薬の治療、さらには精神状態のケアとリンクをさせることです。

十分な食事摂取量がない状態で運動を行うと、筋肉が逆に低下すると言われています。そのため、腎臓リハビリテーションを行うときは管理栄養士による栄養相談も一緒に行うことが望ましいです。

当院では、最初に医師の診察→腎臓リハビリテーション→栄養相談→腎臓病個人面談(専門看護師による)を2週間ごとに受診して頂いております。

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